釈尊以来の「私が仏になる」という仏教の教えを、「仏が私を救う」へと大きく転換させた法然。
親鸞は、師法然の他力思想に帰依しながらも、自らの罪業を凝視して「私だけは救われまい…」と絶望する。
「救いと絶望の同居」という矛盾を抱え続けた親鸞の多数の著作から、その思想の核心と人物像の魅力を読み解く。気鋭の比較宗教学研究者であり浄土真宗の僧侶でもある著者による、中級向けの親鸞思想解説書。
まえがき
第一章 浄土仏教とは何か
1 念仏という宗教的実践
2 大乗仏教における救済と阿弥陀仏
3 浄土へ往生して成仏する
4 阿弥陀仏による受容と自己の相対化
5 仏教の〈極北〉としての浄土仏教
6 日本で成熟した浄土仏教
第二章 親鸞の原風景
1 不明部分の多い親鸞の生涯
2 一念と多念
3 親鸞は一念義か?
4 所行派と能行派
5 仏に背き続ける自己
6 流罪
7 稲田での生活と突然の帰京
8 善鸞義絶、そして往生
第三章 親鸞思想の特性
1 三願転入と隠顕
2 二双四重判と真仮偽判
3 〈改読〉から見る親鸞の実存
4 親鸞思想の中軸ーー二種深信
5 「教信こそわが理想」
6 信行両座・信心諍論と神祇不拝
7 なぜ『教行証文類』は書かれたのか?
8 親鸞における〈身体性〉
第四章 はからいなき地平へ
1 究竟の他力仏教
2 義なきを義とする
3 現生正定聚と還相廻向
4 悪人正機と悪人正因
5 「称」=「聞」=「信」
あとがき
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