東アジアの知の遺産、古典籍。なかでも医学・本草学・農学・科学に関する書物は、人びとの社会・生活に密着するものとして広く流通・展開し、大きな一群をなしている。
これまで総合的に論じられることのなかった東アジアにおける情報伝達と文化交流の世界を、地域・文理の枠を越えて考究する画期的論集。
まえがき
第一部 医学
日中韓越の医書流通と医学体系の形成 真柳誠
『福田方』『悲田方』の構成と復元の可能性 浦山きか
日本における中国舌診書『敖氏傷寒金鏡録』の受容 梁嵘(黄イク訳)
東アジア伝統医学の真髄ー朝鮮許浚の『東医宝鑑』 朴現圭(黄イク訳)
国立公文書館所蔵の朝鮮通信使の医学筆談 梁永宣・李敏(小野泰教訳)
崔漢綺が読んだ西洋医学書ーHobson(合信)の医書と崔漢綺の『身機践験』 金哲央
清末の漢文西洋薬学書におけるアヘンの記述について 小野泰教
第二部 科学
『新製霊台儀象志』の受容 吉田忠
テキストの鏡影ー抜粋本と清初の暦算学 祝平一(高津孝訳)
18世紀朝鮮の実学者洪大容の『劉鮑問答』-西洋科学知識受容の一断面 任正爀
葛飾北斎『唐土名所之絵』と中国地図の受容 大澤顯浩
第三部 博物
経学註釈と博物学の間ー江戸時代の『詩経』名物学について 陳捷
近世中国知識人の博物学の再構築ー方以智『通雅』と『物理小識』を中心に 廖肇亨(千賀由佳訳)
交錯する視線ー南西諸島の博物学 高津孝
青蒿と黄花蒿の名物学的研究ーラテン名比定の問題を中心に 久保輝幸
第四部 人と書物
平賀源内伝の再検討ー『平賀実記』を中心に 福田安典
洋学者・柴田収蔵と江戸の本屋 平野 恵
近世後期における地方知識層の書物交流ー伊藤忠岱の書写活動を中心として 清水信子
医籍専売書肆英蘭堂島村利助について 鈴木俊幸
あとがき
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