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脳の陰の支配者「グリア細胞」とはなにか?脳内の全細胞の8割以上を占める「グリア」。これまで、電気活動を行うニューロンの間を埋める単なる梱包材とみなされ、軽視されてきた。しかし、近年の研究で、グリア細胞は、ニューロンの活動を感知し、その動きを制御できることがわかってきた。脳に関する科学者の理解を揺るがす、グリア細胞の役割とは? 脳の陰の支配者「グリア細胞」とはなにか? 脳内の全細胞の8割以上を占める「グリア」。 しかし、電気活動を行うニューロンの間を埋める 単なる梱包材とみなされ、軽視されてきた。 しかし、近年の研究で、グリア細胞は、 ニューロンの活動を感知し、その動きを制御できることがわかってきた。 脳に関する科学者の理解を揺るがす、 グリア細胞の役割とは? 脳科学でいま「大変革」が起きている フィールズの到達した結論は、(略)神経科学の主流であり続けている「ニューロン中心主義」(略)という見解が、まったく不完全で、大きな変更を迫られており、実は「グリアがニューロンを制御する」という主客転倒、あるいはニューロンーグリア両立主義とも呼ぶべきものであるというのだ。これは大いなる驚きであり、つねに難問に挑み続ける多くの挑戦的な神経科学者たちにとっては、容易に看過できない言明である 「訳者あとがき」より 第1部 もう一つの脳の発見 1章 グリア細胞とは何か - 梱包財か、優れた接着剤か 2章 脳の中を覗く - 脳を構成する細胞群 3章 「もうひとつの脳」からの信号伝達 - グリアは心を読んで制御している 第2部 健康と病気におけるグリア 4章 脳腫瘍 - ニューロンはほぼ無関係 5章 脳と脊髄の傷害 6章 感染 7章 心の健康(メンタルヘルス) - グリア、精神疾患の隠れた相棒 8章 神経変性疾患 9章 グリアと痛み - 恩恵と災禍 10章 グリアと薬物中毒 - ニューロンとグリアの依存関係 11章 母親と子供 12章 老化 - グリアは絶えゆく光に抗って奮い立つ 第3部 思考と記憶におけるグリア 13章 「もうひとつの脳」の心 - 意識と無意識を制御するグリア 14章 ニューロンを超えた記憶と脳の力 15章 シナプスを越えた思考 16章 未来に向けて - 新しい脳
レビュー(16件)
いい勉強になります
原著は10年くらい前のものだったと思いますが、いい勉強になりました。
グリア細胞と炎症
単に神経だけでなく、それを取り巻くグリア細胞、密接に関連する炎症こそが脳神経系の病、鬱病、アレルギー、慢性疲労症候群など現代にはびこる表面上はよくわからず、当人だけが偏見に晒されつつ苦しんできた病気の山を解明する決定的な鍵になることがよくわかる。