『本書の解説』
社会階級または経済状態は,統合失調症者が病気から回復するか否かに影響するだろうか。産業化は,重度の機能不全に陥る統合失調症者の数を左右しただろうか。経済発展のレベルは,どの市民階層が統合失調症になるかを決定するだろうか。こうした問いは,本書『統合失調症からの回復』の核心である。初版が賞賛を以て迎えられたのに続いて,この大幅に改訂・刷新された第2版は,近年の治療法の変革がはたして真に進歩というに値するかということを考えるうえで新しい研究や経験を引き合いに出している。(中略)「ワーナーの『統合失調症からの回復』第2版は,初版に引き続き,精神医学が好んで取り組んできた難問である統合失調症の斬新な見方を提供している。精神医学は,この難問を精神医学自身の問題として抱え込み,精神医学の嫡出子として正当化しようとしたが,その社会ー文脈上の起源を取り扱おうとはしなかった。ワーナーは,この新しく書き換えられた著書で,この‘疾患’と関連するようになった数々の作り上げられた風船を針で突く作業を続けている。」
●目次
序文
謝辞
はじめに
第 I 部 背景
第1章 統合失調症とは何か
第2章 健康・病気・経済
第 II 部 統合失調症の社会経済学
第3章 統合失調症からの回復
第4章 脱施設化
第5章 狂気と産業革命
第6章 労働,貧困,統合失調症
第7章 第三世界の統合失調症
第8章 西洋社会の統合失調症者
第9章 統合失調症の発現率
第3部 治療
第10章 抗精神病薬:使用,乱用,非使用
第11章 働くこと
第12章 統合失調症にかんする差別の廃止
参考文献その他
解題
人名索引
事項索引
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