【第165回直木賞受賞作!】
鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とはーー。
父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだったーー。
レビュー(137件)
妻へのプレゼントに買いました。喜ばれました。
期待の若手
希代の絵師・河鍋暁斎を父に持った、とよ。父の大きさ故に苦労する彼女の姿を通し、家族とは、師弟とは何かを考えさせる。血なのか、あるいは墨なのか、と。体言止めが多く、台詞にも使われているが不自然さを感じさせないテンポの良さで読ませる。「流れ星」が効果的に用いられ、最後に至って表題が、ああ、なるほどと理解できる。心憎い。「若沖」「落花」などで話題になった書き手だが、進境著しく、直木賞に相応しい。時代小説、歴史小説の担い手として貴重な存在になってきた。