美しく聡明で行動力もある、まさに才色兼備のヒロインは修道女。しっかりとした芯の強さと気の強さを示すのは、かぶり物に納まらずこぼれ出た一筋の赤毛。法的立場で強い地位にあるとはいえ、若い女性であるという偏見もゼロではないが、そこは本来の気の強さで毅然として立ち向かっていくところが魅力的。王女という立場もあって、高飛車なところも垣間見えるが、そこはご愛敬といった感じ。 本格推理もので、証言者の矛盾や事実の証言の持つ意味をとらえた、フィデルマの推理は明快です。今回は、自らの属する修道院での事件で、法的立場と宗教的立場の対立、法的処罰の限界に悩む彼女が印象的でした。 短編2冊いずれも面白かったので、次は長編を読んでみたいと思います。
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美しく聡明で行動力もある、まさに才色兼備のヒロインは修道女。しっかりとした芯の強さと気の強さを示すのは、かぶり物に納まらずこぼれ出た一筋の赤毛。法的立場で強い地位にあるとはいえ、若い女性であるという偏見もゼロではないが、そこは本来の気の強さで毅然として立ち向かっていくところが魅力的。王女という立場もあって、高飛車なところも垣間見えるが、そこはご愛敬といった感じ。 本格推理もので、証言者の矛盾や事実の証言の持つ意味をとらえた、フィデルマの推理は明快です。今回は、自らの属する修道院での事件で、法的立場と宗教的立場の対立、法的処罰の限界に悩む彼女が印象的でした。 短編2冊いずれも面白かったので、次は長編を読んでみたいと思います。