言葉によって世界に触れ、
〈沈黙〉を聴くことで、他者に出会う。
死と再生の経験を照らす、ケアの眼差しへ。
ウィトゲンシュタインの哲学を起点に、
その独特の言語観を「他者」との関係性から論じつつ、
私たち人間の生の在り様とその行方を探求する
死者の眼差しは、ケアの〈不可能性〉を告知するものではない。むしろその〈非対称性〉を受け入れることを通じて、そこに「すでにあるもの」としてのケアへの気づきを呼び覚ます。死者は「もうそこにいない」が、「死者としてそこに再生する」。もはやみずからの支配のおよばない場所で、支配のヴェールを脱いだ他者は、服従することなく、その眼差しを与えるだろう。(第10章)
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