これまで、リース取引については、所得課税について部分的に論じられたいくつかの専攻業績はあるが、体系的に論じられたものはほぼ存在しない。また、同取引に係る資産課税については、ほとんど研究されていない。本書は、リース取引に係る所得課税、および資産課税の制度における問題点を挙げ、それに対して解釈論を展開し、解釈論においても問題点を解決できない部分については、立法論を提言するものである。
本書は、次の点に意義を有する。1リース取引の経済的実態に合わせるように、同取引に係る所得課税を論じたこと、2リース取引の課税上の取扱いに関する議論は、同取引の賃借人に焦点を絞ってなされることが多かったが、同取引の賃貸人にも光を当てることにより、今まで触れられてこなかった論点を研究したこと、3資産課税の1つである固定資産税については、所得課税とは違う考え方で制度が構築されていることを示すことができたこと、4リース取引の課税に係る米国の判例を引用することにより、多くの有益な示唆を得たこと、5リース取引に係る課税制度の問題点に対して、解釈論の発展や今後の立法整備に寄与することで、同取引を利用者にとって予測可能性が高いものにすること、6リース取引に係る課税を巡る事件に対して、裁判所に一定の解釈を提供することができたこと、である。
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