人間の在り方を模索した哲学者スピノザ。神なき時代を予言した哲学書『エチカ』は,当時異端と目されもしたが,後世に長く読み継がれる一書となった。フロイトも言及したスピノザの思想には,精神分析そのものと言える部分があり,哲学者だけではなく,フロイト以降の多くの精神分析家や心理療法家を引きつけている。
本書は,精神分析家として,精神科医として多くのクライエントの心を見つめている川谷大治によるスピノザの哲学を真っ向から扱った一冊である。スピノザの精神分析とは何か。スピノザの思想が精神分析にもたらすものは何か。長年の治療経験と思索から,深く広い「エチカ」と精神分析の世界を解き明かす。
序 章
第1部 精神分析を読み直すためのスピノザの予備知識
第1章 スピノザの感情論
第2章 スピノザの認識論
第3章 スピノザとフロイト
第2部 『エチカ』を通して精神分析を再考する
第4章 フロイトからハイマンとリトルの転移・逆転移
第5章 スピノザの転移・逆転移
第3部 『エチカ』を通してウィニコットを読む
第6章 ウィニコットを読む
第4部 ボーダーライン論
第7章 ボーダーライン論1
第8章 ボーダーライン論2
第5部 転移・逆転移の臨床
第9章 転移・逆転移の臨床
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