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隠れキリシタンの島で起きた、密室殺人! 相続鑑定士の三津木六兵の肩には人面瘡が寄生している。毒舌ながら頭脳明晰なその怪異を、六兵は「ジンさん」と呼び、頼れる友人としてきた。 今回、六兵が派遣されたのは長崎にある島、通称「人面島」。村長の鴇川行平が死亡したため財産の鑑定を行うのだ。道中、島の歴史を聞いた六兵は驚く。ここには今も隠れキリシタンが住み、さらには平戸藩が隠した財宝が眠っているらしい。 一方、鴇川家にも複雑な事情があった。行平には前妻との間に長男・匠太郎、後妻との間に次男・範次郎がいる。だが二人には女性をめぐる因縁があり、今もいがみ合う仲。さらに前妻の父は島民が帰依する神社の宮司、後妻の父は主要産業を統べる漁業組合長という実力者だ。 そんななか、宮司は孫の匠太郎に職を継ぐべく儀式を行う。深夜、祝詞を上げる声が途切れたと思いきや、密室となった祈祷所で死んでいる匠太郎が発見された。ジンさんは言う。「家族間の争いは醜ければ醜いほど、派手なら派手なほど面白い。ああ、わくわくするなあ」戸惑いながらも六兵は調査を進めるが、第二の殺人事件が起きてーー。 毒舌人面瘡のジンさん&ポンコツ相続鑑定士ヒョーロク、今度は孤島の密室殺人に挑む! 【編集担当からのおすすめ情報】 発売即重版となった『人面瘡探偵』第二弾、ついに文庫化! こんどは隠れキリシタン&埋蔵金伝説のある島で、遺産をめぐりさまざまな事件が勃発。ついには台風の襲来に遭い、ライフラインも途絶えた完全孤立状態に。極限状況で、毒舌&頭脳明晰な人面瘡探偵・ジンさんは真実を見出せるのか。 帯には中山七里ファンでもある谷原章介さんがコメントを寄せてくださいました。お二人の貴重な対談も特別収録!
レビュー(17件)
書店迄、足を運ばなくて良いので助かります。
途中ですが面白いです。通勤時のお供です。
途中ですが大変面白いです。あと数日で飽きることなく読んでしまうと思います。
九州の離島のお家騒動を機に、連続殺人事件が起きるという設定のミステリー。物語に登場する離島は、パソコンやスマホなどの物資については本土と何ら変わらない「現代」の流儀だけれど、人々の意識や価値観は江戸時代のまま・・・でも、それと似たような集団は実際にもあるかもしれないと感じました。それにしても、自分がライバル視しているきょうだいに関して「俺はあいつの嫌がることなら何だってやりたい」などと口に出して言ってしまうのは大人げない。由緒あるお家の名前が泣きますよね。面白かったです。