●分析家は無意識についての専門知識を主張できるゆえに,いつも自分を防衛できてしまうのは不幸と言える。そうして自分自身の過ちを見落としてしまうからだ。できるだけ過ちを避ける方法,自身が間違えている時それに気付く方法,そして患者が自覚する過ちに一緒に取り組む方法が本書のテーマである。
●目次
謝辞
日本の皆様へ
まえがき(エリック・レイナー)
導入のことば
第1章 分析での目標に到達すること:精神分析という開かれた可能性
はじめに 1.圧力から空間へ 2.精神分析史からの有害な残留物 3.より広い文脈から見た精神分析技法 4.技法に関する含み 5.患者の中の精神病領域への種々のアプローチ 6.精神分析と服従の問題 7.精神分析のトレーニングでの圧力と服従
第2章 精神分析でのあやまちと,あやまちを避けようとすること
はじめに 1.独断的,それとも,ためらいを含んで 2.患者による無意識の批判 3.内なる対話:まちがってとられないようにすること 4.治療者の注目点の選び方への患者の反応の例 5.ひとつ以上の味方から患者についていくこと 6.境界にまつわるあやまち 7.あやまちに働いていそうなダイナミクス 8.あやまちを認めること 9.分析過程の一部分としてのあやまち
第3章 ひとつのセッションでの体験:コミュニケートしようとすること
1.セッション提示の背景 2.臨床提示 3.若干の討論
第4章 自律に向けて:精神分析でのスーパーヴィジョンを考える
はじめに 1.スーパーヴィジョンの三人組(supervisory triad) 2.こころの中のスーパーヴィジョン 3.患者への試みの同一化 4.例を提示する前に考えてみたいこと 結語
第5章 心理療法で援助しようとするときの落とし穴
はじめに 1.行き詰まりに対処すること 2.援助しようとすること 3.援助しようとする治療者の試みを患者はどのように理解するか 4.分析家や治療者が援助しようとすることで,誰が最も援助されるのか? 5.例外的な休みについて説明すること 6.ともかく緊急に援助したいと思うときに生じやすいダイナミクス 7.長めの臨床例 おわりに
第6章 再演と解決
はじめに 1.症例 2.考察
第7章 患者の手を抱くべきか,それとも抱かざるべきか:さらなる考察
1.背景 2.討論中の臨床経過へのさらなる考察
第8章 侵襲と空間:技法上の問題
1.「空間」とは,どういう意味でしょうか? 2.空間と技法の理論 3.遊ぶための空間と存在するための空間 4.解釈との関連での分析空間 5.技法との関連での侵襲と空間
第9章 知っていることの彼方の知らないこと
はじめに 1.なじみのないこととの出会い 2.ステレオタイプ 3.なじみのないことにかかわること 4.理論の貢献と他の臨床経験の貢献 5.他者についての知らないこと 6.深い溝に橋を架ける試み 7.他者の他者性 8.知っていることの彼方の知らないこと 9.知らないことの大切さ おわりに
エピローグ 何処へ
付録論文 早期心的外傷の復活のときに身体接触を求めるという分析家への重圧
参考文献
監訳者あとがき
人名索引/事項索引
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