ヘーゲルの「哲学史」、「歴史哲学」へと彫琢されてゆく、ドイツ観念論の歴史意識とは何か?18世紀から19世紀への転換期、イェーナ大学はラインホルト、フィヒテ、シェリングなど哲学の主流を受け継ぎ、ドイツ観念論の中心舞台であった。1801年、家庭教師生活に区切りをつけイェーナに移ったヘーゲルは、「論理学および形而上学」と「哲学入門」の講義を始めるとともに本格的な論文執筆に入った。彼はラインホルト、バルディリ、ティエデマン、テンネマン、アストらによるドイツ観念論の歴史意識に関わるさまざまな思潮との批判的論争を通して、「哲学史」や「歴史哲学」の概念を形成していく。あらゆる時代の哲学は一つだけであり、それは理性がただ一つであることに基づくとし、哲学史上のすべての論争は“知”の内部の自己検証の契機であり、哲学史の総体を、真理である“絶対的なもの”の知へ至る道として捉え、哲学史の到達点を基礎として自らの哲学を構築していった。著者はヘーゲル哲学がドイツ観念論の最高の華であり、哲学史を通して形成された一つの“知”に他ならないことを明快に論じ、そこから新たなヘーゲル像を探究する。
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