非難・叱責」を「理解・ケア」に変える,対人援助の新しい視点
児童福祉,教育,医療,矯正などのさまざまな現場で援助職がしばしば出会う,支援対象者の“困った”言動。自他を傷つけ,周囲を悩ませるそうした“問題行動”の背景には,トラウマという「こころのケガ」が隠れているかもしれません。
トラウマインフォームドケア(TIC)は,対象者の言動をトラウマの「メガネ」で見ることから始めるアプローチです。
暴言や暴力,怠惰や無気力,嘘やごまかしなどを“問題行動”と捉えると,支援者は相手を叱責したり,拘束したり,追い立てたり,非難したりしてしまいます。支援者自身も,傷つけられたり,裏切られたと感じたりして,無力感を抱きやすくなります。
しかし,そうした言動が表れた状況を探っていくと,何らかのきっかけ(リマインダー)によるトラウマ反応である可能性が見えてく
るかもしれません。
トラウマの「メガネ」をかけることで,ケースの見え方が変わり,安心・安全の提供へとケアがありかたが変わっていきます。臨床現場で新たな傷つきが生じることを防ぐために,すべての対人援助職が身に着けておくべき公衆衛生的アプローチがTICです。
<b>第1部 トラウマの「メガネ」で見てみよう</b>
第1章 「何が起きているの?」--問題行動の背景
第2章 トラウマについて理解する
第3章 トラウマにまつわるよくある誤解
第4章 トラウマが発達に及ぼす影響
第5章 トラウマティックな関係性の再演
<b>第2部 トラウマインフォームドケアを理解し,実践する</b>
第6章 公衆衛生としてのトラウマインフォームドケア
第7章 トラウマインフォームドケアの基本的概念
第8章 トラウマインフォームドケアを始めよう
第9章 児童福祉・母子保健領域でのトラウマインフォームドケア
第10章 非行・犯罪領域でのトラウマインフォームドケア
<b>第3部 支援者のためのトラウマインフォームドケア</b>
第11章 支援関係におけるトラウマの影響
第12章 安全で健康な組織づくり
第13章 回復に向かう支援者と組織
終章 トラウマインフォームドケアという選択
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