「プロの臨床家としては,クライエントにもっとも役立つ治療法を選ぶ責任がある」--。著者は,臨床の現場から,最も効果的で実践的な治療のアプローチを提案する。特定の学派・理論に依らず,むしろ,臨床ベースから精神分析,ユング心理学,来談者中心療法などを統合・折衷させながら,クライエントへの実効的な治療の視座と手法を再構成した。「健康な悩み」「神経症的悩み」「病態化のプロセス」など,クライエントの悩みのメカニズムを仔細に分析し,対人恐怖症,ひきこもり,強迫性障害,うつ病,境界性パーソナリティ障害,パニック障害などの各病理に対し,「心理教育的アプローチ」「問題解決的アプローチ」「人生全体を扱うアプローチ」といった3-ステップで独自のセラピー手法を提示。複雑・多様化する病理に対し,既成の学派・理論の限界を感じ,膨大な経験からあらゆる病理に対応できる実践法の確立を試みたもの。「心理療法を学ぶ,あるいは実践するにあたって,プロとして,ここまでは知ってほしい内容を包括的に」まとめた1冊だ。特定の学派や理論から治療の手法を学ぶのでなく,あくまで治療現場から「ボトムアップ式」にまとめることに一貫した「実践家のための実践書」である。
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