西洋中世哲学は、ギリシア、ラテン、アラビア、ユダヤという四つの伝統の入りくんだ背景をもち、一五〇〇年という長い時間に及ぶ。本書では、この複雑な哲学に明確な見通しを与え、普遍と個、予知と自由、信仰と哲学について論じる。私たちは現代の哲学を知るために、世界を知るために、中世哲学を学ばなければならない。
日本語版への序文
謝 辞
中世哲学関連地図
1 序 章
中世哲学についての三つの間違い
中世哲学と歴史的分析
2 初期中世哲学の見取り図
古代末期と古代末期のプラトン派
中世の諸伝統の五人の創始者
ローマ帝国の存続期と衰退期における哲学
アラビア哲学の始まり
一二世紀のラテン哲学
西方イスラーム圏におけるイスラーム・ユダヤ哲学
アヴィセンナ以降の東方イスラーム圏での哲学とカラーム
3 後期中世哲学の見取り図
初期中世哲学と後期中世哲学
ラテン語への翻訳と大学
一二〇〇-一三五〇年の大学に所属した神学者
一二〇〇-一四〇〇年頃の西ヨーロッパにおける学芸学部教師と大学外での哲学
後期ビザンティン哲学
一二〇〇-一三五〇年のユダヤ哲学
一二〇〇-一六〇〇年のアラビア哲学
一三五〇-一六〇〇年の大学での哲学と神学
人文主義と大学外でのラテン哲学
一三五〇-一六〇〇年のユダヤ哲学
いつ中世哲学は終わるのか?
4 中世哲学の諸領域
論理学
形而上学
認識論、心の哲学、言語哲学
倫理学と政治哲学
宗教哲学
5 制度と文学形式
制度の内外での哲学
ラテン哲学にとっての大学とその他の状況
註解の文化
問 題
大全と論考
対話篇とその他の文学形式
6 普 遍ーーアヴィセンナとアベラール
古代における普遍の問題
普遍に関するアヴィセンナの考察
初期中世の実在論
普遍に関するアベラールの考察
ドゥンス・スコトゥスーーアヴィセンナの解答の変容
オッカムーー唯名論の再登場
7 心、身体、死ーーアヴェロエスとポンポナッツィ
魂と知性認識と不死に関するアリストテレスの考察
アラビアにおけるアリストテレス主義の伝統
知性および死と不死に関するアヴェロエスの考察
トマス・アクィナスとアヴェロエスの魂論への反応
魂の不死に関するポンポナッツィの考察
8 予知と自由ーーボエティウスとゲルソニデス
未来の真理の問題
偶然性・必然性と自由意志
予知の問題に対するボエティウスの解答
ボエティウス以後
ゲルソニデス以前
マイモニデスに対するゲルソニデス
予知の問題に対するゲルソニデス自身の解決策
9 社会と最善の生ーーイブン・トゥファイルとダンテ
イブン・トゥファイルの先駆者ーーファーラービーとイブン・バーッジャ
イブン・トゥファイル
アウグスティヌスとパドヴァのマルシリウス
ダンテ
10 なぜ中世哲学か?
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参考文献
関連年表
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