恋愛、性欲、大逆、殉死──多彩な、時に問題視される小説を次々に発表。翻訳や論争や雑誌活動にも精魂傾け、軍医高官として論文執筆や公務もこなす。荷風や啄木や一葉など後進の作家にも目をかけ、子どもたちからは優しいパッパと慕われる。「時代より優れ過ぎた人」鷗外の歩んだ遥かな道程を、同時代の証言とともに辿る決定版評伝。
プロローグーー自伝と証言の間
1 林太郎として生まれて──日本とドイツ
1 故郷と両親ーー青野山に見守られて
2 医学に導かれてーー上京と医学校生活
3 ドイツ留学ーー諸都市をめぐる
2 鷗外への変貌──創作と軍務
4 ドイツ三部作ーーエリーゼ事件と最初の結婚
5 翻訳と論争ーー応答する自己
6 「観潮楼」での新しい試みーー『美奈和集』の成立
7 小倉での日々と再婚ーー新たな出会いと別れ
3 飛躍する鷗外──文壇への復帰
8 東京への帰還と日露従軍ーー『うた日記』の世界
9 新しい表現を求めてーー『スバル』での活躍
10 小説世界を広げるーー『青年』の心理
11 大逆事件に向き合うーー「かのやうに」『雁』「灰燼」
4 林太郎として死す──歴史と人間
12 明治の終焉ーー「阿部一族」「安井夫人」の造型
13 歴史小説の展開ーー「山椒大夫」「高瀬舟」の試み
14 史伝の世界ーー「澀江抽斎」「北条霞亭」の境地
15 晩年の仕事ーー遺言に至る道
エピローグーー移ろい、よみがえる鷗外
鷗外略年譜
あとがき
鷗外作品名索引
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