近年の東南アジア諸国の経済成長を背景に、同地域から日本への訪日客が増えている。加えて、2013 年 7 月にはタイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシアの東南アジア 5 カ国を対象にビザが緩和されて以降、訪日客の増加に更なる拍車がかかることが期待されている。このような背景のもと日本の食品企業は、国内の食品市場規模の拡大に期待できないため、新規市場としての「ハラール」に注目が集まり、近年ブームになっている。それにより「ハラール」に関連したビジネスも多く立ち上がっている。その潜在的市場は食品、医薬品、化粧品など900億円規模といわれているが 、市場規模はそれほど大きなものではない。本書は「日本の食品業界におけるイスラーム市場」、「ムスリム対応メニュー開発の心得」、「特別寄稿:観光物産業界におけるハラル対策動向」、「相互認証と脱認証ーあとがきに代えてー」の4つの内容で構成されている。「日本の食品業界におけるイスラーム市場」は2012年にヌスラト ファハミダ氏によって執筆された東京農工大学大学院での修士論文『日本の食品産業におけるハラール展開の可能性と課題に関する研究』を、編著者が2014年から2015年に行った取材に基づき加筆・修正したものである。「ムスリム対応メニュー開発の心得」は宿泊施設や飲食店などで具体的に実践できる対応策を述べている。「特別寄稿:観光物産業界におけるハラル対策動向」は、これまでの日本の観光におけるハラール関連の話題を月刊紙『観光物産ニュース』から取り上げている。「相互認証と脱認証ーあとがきに代えてー」では2017年2月に行った日本イスラム文化センターのクレイシ ハールーン氏への取材の内容と編著者の思いを述べている。ハラールに関わるビジネスに携わる際に知っておくべき知識とまとめ、商品の開発にまで言及し、日本におけるムスリム対応の課題を提示した異色作!!
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