児童相談所における虐待相談対応件数が激増している昨今,医療や福祉をはじめとするあらゆる支援の現場には,逆境的環境で育ち,こころにケガをしている子どもがさまざまな支援ニーズを抱えて登場する。
こうした子どもたちへの治療や支援を考える際には,まず,彼らがこころにケガ(トラウマ)をしているということを念頭に置いて対応すること(トラウマインフォームドケア)が何よりも求められる。
本書は,理論の核となるトラウマインフォームドケアの他,被虐待児に起こるPTSDの諸症状やアセスメントのポイント,重要な治療プログラムとしてのTF-CBT,アタッチメントや発達障害とトラウマとの関連,児童精神科臨床の実態など,多岐にわたる臨床実践的観点から構成されている。
長年,精神科臨床に携わってきた著者によって子ども虐待とトラウマケアに必要なさまざまな視点や対処法を示す,臨床家だけでなく保健・福祉・教育・司法といったあらゆる支援の現場の方の指針となる一冊。
序に代えてー虐待されている? 子ども虐待の実相
第1部 今,子ども虐待とは
子ども虐待と児童精神科臨床
子ども虐待例から見えてくる母性
[コラム]母性剥奪(Maternal Deprivation)
[コラム]現代社会における子どものストレスと健康
第2部 子ども虐待とトラウマ
子ども虐待とPTSD-アセスメントと心理教育
被虐待児へのトラウマ治療
[コラム]治療において感情をとりあつかうということ
[コラム]逆境的小児期体験の長期的影響
性的虐待とそのケア
児童期における解離・転換性障害
[コラム]子どものうそにどう対応するか
[コラム]発達障害とトラウマ
第3部 トラウマインフォームドケアの視点
トラウマの視点から見えてくる子ども虐待ー再トラウマ化を防ぐために
トラウマインフォームドケアーわが国での普及の可能性
アタッチメントと子どもの虐待
[コラム]子どもの困ったくせー異食・拒食・過食・偏食・反芻
[コラム]災害被害とレジリエンス
あとがき
文献
索引
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