中世英文学の傑作『農夫ピアズの夢』の、最も信頼できる写本からの解釈・個人訳。原文はラテン詩行交じりの頭韻詩(総7300行余)、翻訳は散文体(作者は一般にウィリアム・ラングランドとされている)。語り手「私」の魔法にかけられたかのような奇跡的な夢の数々。それは単なる架空の話ではなく、14世紀イングランド社会の実相と聖俗の腐敗・堕落を余すことなく描き出すと同時に、農夫ピアズの探求を通してキリスト教の真理に迫る真実の物語。縦横無尽に仕掛けられた知のトリックを読み解き、寓意・比喩・引用に彩られたテクストの奥に分け入ると、真のキリスト者としての作者が浮かび上がる。訳注と索引を付す。
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