“絶体絶命”の状況を人はいかに生き得るのか。突然の膵臓がん宣告、生きるための治療選択、届かぬ患者の声、死の恐怖。患者となって初めて実感した〈いのち〉の問題を、赤裸々に真摯に哲学した「がん時代」、未来への提言。
はじめに
序 治療ーー突然がん患者になった私
1 ジェットコースターの始まり
2 「頭が真っ白」にはならず
3 転院の決断
4 主治医との出会い
5 手術はゴールではない
1 学ぶーー患者としての好奇心
1 主治医によるインフォームドコンセント
2 医療の進歩を実感する
3 新薬と「勇敢な患者」
4 「集学的治療」とアポロ
2 直面ーー患者の声は届いているか
1 抗がん剤への恐怖と感謝
2 毒と副作用を引き受ける
3 何を食べたらいいのかーー食べることは生きること
4 「転移」の中で思い出した三つの物語
5 “隠喩としての病”にたじろがないために
6 がん患者の「心を支える」仕組みとは
7 「相談の場」と「治療の場」
3 いのちーーずっと考えてきたこと
1 遺伝子検査を受けて突きつけられたこと
2 爆走する検査技術
[コラム] 命に序列をつけることへの誘惑
3 いのちの尊さとは何だろうか
4 今ーー生きてきたように闘病する
1 再手術にチャレンジする
2 最後の「異任地異動」
3 死の受容の噓っぽさ
生きるための言葉を探してーーあとがきにかえて
付 透き通ってゆく卵
レビュー(9件)
知り合いがほしい本だったので購入しました。プレゼントしたらとても喜んでくれました
大変参考になった.
膵ガン患者の食事は胃潰瘍の食事と同じ指導を受けていたが、痩せを防ぐため、抗がん剤による味覚異常、食物の嗜好の変化により、味の濃いもの、塩味、辛み、酸味、等摂ってOKの事、メタボ食で良いこと(肝臓、腎機能正常の場合)等参考になった.死の受容は個々の自由であり、死の受容がなくても死んでいける事等学ばせていただいた.最後に残念なのは術前ステージ3の診断が術後ステージ4aと判明したこと。2016年の時代とはいえ、今ならステージ4aであれば化学療法か放射線療法でも予後は同じで、あんなに苦しまなくても良かったかなと思いました.膵ガン患者のみならず癌の患者、医療関係者、為政の関係者 必読の書です.筆者のご冥福をお祈りいたします。
新聞広告に出ていたので読んでみることにしました。きれいごとや上辺だけの言葉ではなく、患者としての本が隠さず書かれていると思われます。自分の置かれた状況を受容する心境になることが大切という一般論を否定し、患者自身は受容することなく最後まで出来る限りの新たな対策が講じられることを望み、そのために日々必死に行動することを厭わず、決してあきらめることなどできないという体験に基づく見解と、それに伴う具体的で詳細な対応策の描写、解説には、素人であっても惹きこまれる迫力と執念を感じます。自分自身がその立場になった時はもちろん、周りの者がそうなったときにも、読んでおくと非常に有益なドキュメンタリーと言えるでしょう。ただし、巻末の解説の代りに掲載された医師の文章は、本文といささか趣旨や内容が異なるものですから、もっと直接的な解説を掲載するべきだったと思われます。