千葉県K市の民生委員、福田春子はある日、登校時刻にも拘わらず公園でブランコに座る児童原田幸太を見かける。不登校を気にかける春子の家に、面識ある老人天宮明男が訪れ、児童との経緯を告げる。春子は更に詳しい事情を知るべく学校担任内山を訪れる。春子の対応に当たった教頭木暮の対応は、校内問題が生じる事を警戒して初めは頑なであったが、困窮した児童の存在を知り積極的に問題解決に当たる。母子面談の結果、幸太の不登校原因が、母親真理恵への憐情であることを知り、真理恵は幸太の成長を認め、追い求めていた『キラキラ』を見いだす。『キラキラ』を求めて、地方から都市へ向かう若者達が手にするそれぞれの『キラキラ』は何か?少年の、透明な心に生じる影。その影に育まれ成長する自我。終戦70年、ソフィスティケートされたかに看える現代少年の『怒りの処理方法』がもたらすであろう社会変化は?既作『竹の春』に連なる福田春子、『少年時代』に連なる天宮明男が登場。終戦直前に生まれ、敗戦国日本の復興期に育ち・生きた天宮の少年期を描いた別書『少年時代』と読み比べることによって、『時代の変化がもたらす人間の変貌』、『人間の変化がもたらす社会の変貌』について、読者に問いかける。
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