【POD】検証“ナニワの事件簿”「阪大・市大医学部入試問題密売事件」
未曾有の阪大・市大医学部入試問題密売事件はなぜ、起こったのか
いつの時代も人命を救う医師はかけがえのない仕事で、大学受験でも医学部は最難関。そんな中、東京医大の裏口合格に端を発した大学医学部・医科大学の不正入試事件は多くの国民に「私大医学部(医科大学)なら、さもありなん」とあらためて自覚させる結果となった。
東京医大の不正事件が発覚したとき、著者の脳裏に浮かんだのは一九七〇年代に起った「阪大・ 市大医学部入試問題密売事件」だった。
この事件は大学側は不正入試に一切関与しておらず、被害者の立場だったが、事件が発覚すると 医学会、教育界、刑務所までを巻き込んだ未曾有の不正入試事件へと発展していった。
その背景にあるのは「病で苦しんでいる患者を救いたい」と「医は仁術」を目指して最難関の最高学府を目指している姿とは真逆の姿だった。
著者は今回の作品では言及していないが、かつて大阪・西成の釜ヶ崎で医療活動の全てを釜ヶ崎 の労働者に捧げ、六十歳で亡くなった大阪社会医療センター付属病院初代院長、本田良寛氏を紹介 した「釜ヶ崎の赤ひげ先生ー本田良寛伝ー」を著している。
今回の新著は入試問題密売事件を検証したノンフクション作品だが、もうひとつのテーマは「なぜ、君は医者を目指すのか」を問い掛けた作品でもある。
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