身体とは何か。ほかならぬ、誰もが生きているこの「私の身体」とは何か。本書は、トランスジェンダーの身体経験の分析を通し、そのトランスの身体を(シスジェンダーに対して)「特殊な」身体、「特殊な」経験とみなすのでなく、かつ、そのトランスジェンダーに対する既存の病理学的な認識図式を批判し、「トランスにとっての身体とは何か」のみならず、誰もが生きているこの「私の身体」とは何かを問いかける。
病理学的図式、デカルト的図式、構築主義的図式という「心身二元論」から発する「神話」を解体し、そのアポリアを問うとともに、オルタナティヴな理論的枠組みの提示を試みる。
「真理はあなたのなかに存在する。私たちは自分を曲げなくていい」
序 章 マトリックスの夢、あるいは真理の場所
第一章 感じられた身体ーー トランスジェンダーと『知覚の現象学』
第二章 身体を書き直すーー トランスジェンダー理論としての『ジェンダー・トラブル』
第三章 たったひとつの、私のものではない、私の身体
第四章 パスの現象学 -- トランスジェンダーとサルトルの眼差し
第五章 ポストフェミニズムとしてのトランス?-- 千田有紀「「女」の境界線を引きなおす」を読み解く
第六章 語りを掘り起こすーートランスの物質性とその抹消に抗する語り
第七章 トランス・アイデンティティーズ、あるいは「名のなかにあるもの」について
終 章 「私は自分の身体を愛することができるか」
あとがき
レビュー(0件)