神経発達症から起立性調節障害、いじめ等。「いつも患者に教わっている」という児童精神科医が語る、当事者に学ぶ姿勢とは。
1 私はいつも迷っている。だから、いつも患児から教わっている。
2 小児の発達障害において病識を獲得させることの是非をめぐって
3 自閉スペクトラム症診断における先入観の克服
4 大人の自閉スペクトラム症の過剰診断
5 ADHD診療実践における前提と留意点
--診断・治療の誤りを避けるために
6 大人のADHDにおいて一般精神科医が児童精神科医へ求めるコンサルテーション
7 発達障害とうつ病
8 働くことと自閉スペクトラム症
9 多彩な身体愁訴が前面に現れる精神疾患
10 子どもの心身症・身体症状──こころの発達課題から脳科学まで
11 起立性調節障害と不登校──児童精神科医から伝えたいこと
12 子どものいじめをめぐってーーその深層と対応
13 いじめの基本的理解、予防と早期発見・DV家庭の児童・生徒の被害をみつけたとき
14 特別支援教育に関連する精神疾患
15 発達障害者が引き起こす二次障害へのケアとサポートとその前提
16 児童精神科医からみた子どもとSNSの問題
レビュー(1件)
座右の書
15年くらい前に井上勝夫先生の講演を聞きました。難しい内容を、あんなに柔らかく、面白くお話なさる上に、言いたいことをさらりと、でもはっきりとおっしゃっていました。誠実なお医者さんだなぁと思いました。そして、井上先生に診ていただいているお子さんや親御さんは幸せだと思いました。 私は、教育の分野で、少しでも井上先生の姿勢に近づきたいと思い、講演後も井上先生の著書から学び続けています。本書の前に2冊お書きになり、講演でのお話しや先生の素振りを思い出しながら熟読。言わば私の座右の書です。 また井上先生の講演を聞きたいと思って検索すると、もうご講演を聞けないと知りました。残念でなりません。 この本は、各誌で井上先生が寄稿した論考をまとめてくださった貴重な一冊です。井上先生が、あらゆることを考え、模索しながら、ずっとずっと子どもたちに寄り添い続けて来られたのだと、噛みしめながら読みました。ご講演で拝見した井上先生の、秀逸なユーモアと医学や医療への真摯な姿勢を思い出しながら、先の2冊と併せてこれからも読み返してたいと思います。そして、私も、教育現場で出会う子どもたちや親御さんに寄り添いながら、それぞれの人生が豊かになるように支援していきたいです。 児童精神医療に関心のある方々や教育や福祉で子どもたちに関わる方々に、この本をお勧めします。 井上勝夫先生に心からの感謝を込めてレビューさせていただきました。日本評論社さん、井上勝夫先生の玉稿を出版してくださって本当にありがとうございました。