首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らを追いつめたもの、それはーー。
* * *
■宣戦布告■
よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。
SNSなんてなくなればいいのにな。えっ、ダメ? 余計なこと言うなって? そうだよなぁ。やっとおまえら権力者になれたもんな。炎上させて誰かが何かを諦めたときに、社会を変えてやったと実感できるもんな。そうやって表面的な正義感で研いだナイフで、悪意の塊でつくった毒で世直ししてるもんな。
やっぱり俺は週刊誌とおまえたちを赦せない。
だからやってやるよ。俺には俺の、ケジメのつけ方ってもんがあるんだよ。
これから重罪認定した八十三人の氏名、年齢、住所、会社、学校、判明した個人情報の全てを公開していく。
八十三なんて数字は氷山の一角に過ぎない。だが、図に乗ってると、次はおまえの番になるから肝に銘じておけ。
明日にはおまえたちの人生はめちゃくちゃになっている。
奥田美月や天童ショージのように。
せめて今日を楽しめ。あばよ。
序章 宣戦布告
第一章 加/被害者たち
第二章 依頼
第三章 宵山に生まれて
第四章 東京
第五章 テレビ
第六章 公判
第七章 B面の夢
第八章 弁護士
第九章 独白
終章 踊りつかれて
レビュー(4件)
社会派小説の真骨頂(*^ー゚)
著者の筆の力に脱帽。先が気になって、ほぼ一気読みしてしまいました。 私はSNS未経験でネット社会のことは無知蒙昧ゆえ、「こんなに怖い世界なのか」とただただ驚愕…(>Д<) 個人的には好きなタイプの小説ですが、『文学』としての観点からすると、直木賞は無理なのでは…と思っていたら、やはりな結果でした。選考委員のメンバーが違えば、受賞していたかも。 ワタシ的には、老若男女を問わず万人にお薦めしたい秀作だと思います(^.^)
注文の本7月5日午前受け取りました。何も問題ありません。
読んでよかったです。できるだけ多くの人に読んでほしい。少しずつでも世界が変わっていけばいいなぁ。
汚れ ヨレ
まだ読んでいません 本の内容ではなく 本自体へのレビューです 新古書ですか? カバーにヨレ ページも開いたような隙間が出来ていて 黒い汚れもあります ガッカリです