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「食べること。着ること。楽しむこと。 僕(私)は、なぜ人と同じようにできないんだろう」 感覚過敏(カビンくん)と感覚鈍麻(ドンマちゃん)の2人が感じている困りごとをストーリー形式で追体験できる本。感覚セカイの「そうだったのか!」がわかる1冊です。 著者は、感覚過敏研究所の所長であり、感覚過敏の当事者として発信を続ける現役高校生、加藤路瑛。 加藤路瑛より 「感覚過敏とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの諸感覚が過敏な状態な事を言います。感覚鈍麻は、感覚過敏とは対象的に、寒さや痛みなどを感じにくく、どちらも何気ない日常のシーンで困難なことがたくさん出てきます。 かつての僕のように、つらさの理由がわからず自分を責めてしまう人や、自分の子どもの感覚が何か違うのではないかと悩んでいる親御さんへ、この本が“感覚の困りごと”の一助になればと思います」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 【カビンくんの心の声】 僕は、制服が痛い。 まるでサンドペーパーでできたブレザーだ。 僕は、給食が食べられない。 これは「好き、嫌い」「美味しい、まずい」の話じゃない。 僕の全細胞が、拒否をする。 セカイは刺激にあふれている。 音は痛くて、光は目に刺さる。 中でも歯医者は、刺激のフルコンボだ。 白いノートや教科書の光が反射して、字が読めない。 校庭の声と、授業の声が副音声のように入り混じる。 「香り」を楽しむ権利はみんなにある。 わかるから、つらいんだ。 【ドンマちゃんの心の声】 寒いってどんな感じ? お腹が空いたって、どんな感じ? 我慢強いね! なんて褒めてもらうけど、 本当は、痛いって感覚が よくわからないだけなんだよね。 こしょう「少々」って、本当にむずかしい。 自分の手なのに、うまく指令が伝わらない。 これって、不器用なだけ?
レビュー(12件)
すごく難しいことが書いてあるわけではなく、内容がすーっと入ってくるので、あっという間に読み終えられた 息子は給食が食べられないし 休日のショッピングモール、観光地、人が多く行き交う場所は苦手 まだ、小学低学年なので、表現が未熟なこともあり、自分の言葉で伝えられないことがたくさんあるだろうが 読み終えて、息子もこんなことを感じているのかもしれないし、親としても息子がそういう思いで過ごしているのかもしれないと、察することができそうだと思った
とっつきやすいかな
設定には無理があるし、なにか専門的なことが学べるわけではない。当事者に助けになるような具体的な対策があるわけでもない。けれど、読みやすく、わかりやすい。わかりやすさはいろんな事情を削ぎ落して犠牲にしているけれど、入門として手に取りやすいので良いと思う。