源頼朝に「日本一の大天狗」と言われた後白河院。したたかに乱世を生き抜いた帝王は、今様と呼ばれた流行歌謡に夢中になり、歌詞を集めて『梁塵秘抄』を編んだ。子どもを思う親心、男に裏切られた女の嘆き、地蔵菩薩や千手観音への信仰心、蝸牛や蟷螂への親愛感、都会のファッションへの興味ーー。ここには多様な世界が広がっている。本書は『梁塵秘抄』本文の抄出に現代語訳と解説を付し、今様の世界へ誘う入門書。
はじめに
梁塵秘抄巻第一 長歌
梁塵秘抄巻第一 古小柳
梁塵秘抄巻第一 今様
梁塵秘抄巻第二 法文歌
梁塵秘抄巻第二 四句神歌
梁塵秘抄巻第二 二句神歌
梁塵秘抄口伝集巻第十
今様耽溺の日々
乙前の死
二度目の熊野参詣
今様即仏道
コラム
今様の時代
今様の場(1)『紫式部日記』より
歌い替え
今様霊験譚
承安の今様合
物尽くし
今様の場(2)『弁内侍日記』より
遊女・傀儡・白拍子
今様相承系図
今様の秘曲
解説
一 『梁塵秘抄』の構成と内容
二 『梁塵秘抄』の成立
三 『梁塵秘抄』の編者・後白河院
四 『梁塵秘抄』の受容
五 参考図書
付録
初句索引
レビュー(15件)
かの有名な「遊びをせんとや生まれけむ…」が収録された梁塵秘抄。しかし、自分の解釈=遊びをするために生まれたのだ、というのが誤っていたことを確認。白拍子、遊女、傀儡が謡う今様という当時の流行歌を、芸術の域に引き上げようと尽力した後白河院だったが、鎌倉時代に衰微してしまう。梁塵秘抄および口伝集20巻のほとんどが散逸し、謡い方も伝わらなかったのは惜しいことだ。後白河院というと陰の権力者というイメージがあったが、宗教心が篤く、芸能に関しては上下の身分を問わない人柄に好感が持てた。
急に古典が読みたくなり、こちらのビギナーズシリーズが読みやすそうで購入しました。 後白河院については全く知識がなかったのですが、この方のおかげで今も当時の流行歌を知ることができるのは後世の私たちにとってありがたいことです。 いくつか知っている有名なものもありましたが、ほかの歌も丁寧で分かりやすい解説があり興味深かったです。
後白河天皇が集めた流行歌集。時代を彩る流行り歌というものは、その時代と共に消えていく運命にあるのかもしれません。