戦後間もない1945年の12月、東京の国分寺市に手榴弾ほどの大きさの火の玉が落ちてきた。日本を統治していたGHQは、空からの飛翔体をいち早く調べるべくMPを派遣したが、すでに隕石は何者かが持ち去った後だった。この隕石には、不思議な力を人間にもたらす科学的に解明できない“ある秘密”があった。その力を軍事的に利用するために、GHQは美しい日本人女性をスパイに雇って現地に潜入させる。隕石をめぐる女性スパイと、その在り処を知る人物との淡い恋の結末とはいかに!?実在した日本人女性スパイを主人公にした、息をつく間もなく展開する第一章から、アメリカのミシガン州に留学を果たす女性スパイとアメリカ軍佐官、日本人歯科医をめぐる恋愛劇を経て、日本への帰国を果たした女性スパイとその家族。物語の主軸は、女性スパイから彼女の息子へと引き継がれ、舞台は高度成長期の日本へと移り変わる。あるきっかけから、特殊な能力を身に付けた少年は、東京立川市の不良グループの仲間と親しくなり、その仲間と“ある計画”を思い立つ。この計画は、もう一人の男を加えて綿密に練られていくが、その影には大きな闇の組織が関与していたのだった。後半では、“20世紀最大の謎”として、未だに全貌が解明されていない「府中三億円事件」の史実を追うかたちで、その謎の解明に鋭く迫った緊迫のストーリーが展開されていく。実際の捜査資料をベースに、手に汗を握るサスペンスとして事件の謎を追っていくなか、この事件のもっとも大きな謎である“現金抜き取りのトリック”を、実際に現場を訪れて検証を重ねた筆者ならではの推理力で独自に解き明かしていく。昭和の名刑事と呼ばれた平塚八兵衛をもってしても、事件の解決に至らなかった三億円事件。この事件は、そもそも誰が何のために企図したのか? 事件直後に自殺したとされる少年Sは事件とどう関わったのか? そして、目にも鮮やかな劇場型犯罪は本当に単独で行われたのか? 未だに残るさまざまな事件の謎を、斬新かつ大胆なミステリー小説として真実に迫った大作が、ついに単行本としてここに刊行される。
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