「語りえぬもの」、その先へ
『論考』で沈黙した哲学者は、「教育」を手がかりに再び語り出す。
新進気鋭の若手が描く、「第三のウィトゲンシュタイン」
▼語りえぬものは、伝ええぬものであるとは限らないーー
『論考』によって「語りえぬもの」を設定し、「語る」ことに制約を課したウィトゲンシュタイン。
経ることおよそ10年、止むことなき哲学的思考はついに「言語の限界」の地平をにらみ、自ら建設した巨大な「沈黙」の体系に挑み始める。
ウィトゲンシュタイン後期思想を繙く鍵である「教育学」。
コミュニケーションに内在する宿命的なパラドクスを解きほぐし、「教えること」の意味を根底から問い直す。
私と世界の限界を超えて、他者に触れうる可能性を提示する意欲作。
<b>プロローグ</b>
<b>第1章 ウィトゲンシュタインと教育学</b>
1 問題の設定
2 ウィトゲンシュタインと分析的教育哲学
3 教育学におけるウィトゲンシュタイン研究
<b>第2章 教育の言語ゲーム</b>
1 言語ゲームの両義性
2 原初的言語ゲームへの懐疑
3 教育の言語ゲームの特質
<b>第3章 イニシエーションと訓練</b>
1 イニシエーションと学習のパラドクス
2 訓練をめぐる対立
3 訓練の原初性
<b>第4章 言語・事物・規範性</b>
1 直示的定義のパラドクス
2 懐疑論をめぐる対立
3 直示的定義における言語と事物
<b>第5章 子どもの他者性</b>
1 ウィトゲンシュタインのパラドクス
2 規則のパラドクス
3 教育可能性と他者性
<b>第6章 語りえぬものの伝達</b>
1 ウィトゲンシュタインの自我論
2 自我の確実性と不確実性
3 語りえぬものの伝達可能性
<b>第7章 教育と言語の限界</b>
1 蝶番のパラドクス
2 蝶番をめぐる対立
3 教育学的観点の深化
<b>エピローグ</b>
註
あとがき
文献
索引
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