瑞燕国幼帝の摂政となった雪媛。高葉国平定で順調に武功を上げた青嘉に、いよいよ将軍位を与えようと考えていたところ、臣下の薛雀熙から青嘉を伴侶とするつもりなのかと問われる。肯定する雪媛に、「私は反対です」ときっぱり告げる雀熙。皇帝の側に強大な権力を持つ者が侍ることは、必ずや国の分断と反乱を招くーー女帝と将軍という関係であれば尚更である。それを防ぐため、婚姻するならば青嘉から兵権を取り上げ、後宮に入れて静かに暮らさせるべきだというのである。歴史に名を残す大将軍となる青嘉をみすみす後宮に閉じ込めるなどありえない、そもそも青嘉が私を裏切るはずがない、と雀熙の憂慮を退ける雪媛だったが、あるきっかけから青嘉に対し抱いた疑念は次第に大きくなっていき……。歴史と運命に抗う叛逆の中華逆行転生譚、ついに堂々完結!
レビュー(12件)
・アン寿(瑞燕国最後の皇帝)は、潼雲とナスリーンとのすれ違いを描く番外編のために暗殺された感じがする。もちろん、本人にその気がなくても、反雪媛派に祭り上げられ、血みどろの内戦を危惧したのは分かる。それなら、雪媛の娘とアン寿を結婚させて、反雪媛派に祭り上げられることを防ぐことはできたのでは? 潼雲とナスリーンとの婚姻も、別の形もあったのでは? 雪媛が望んだわけではなく、元の歴史で暴君になるわけでもない、罪なき少年を、最後の最後で暗殺するのは、さすがに後味が悪い。また、番外編がなくても、雪媛と青嘉のすれ違いや苦悩も、十分に描かれている。これなら、番外編は不要では? それ故に、宮中の闇、帝位の宿命がリアルに描かれていたのはさすがではある。 ・登場人物は下の名で書いてあることが多いが、登場人物一覧ではフルネームのため、目的の人物を探し出しにくい。巻が進むにつれて、登場人物・登場勢力・登場国の把握が難しくなったのは、残念。ネタバレ覚悟で、詳細かつ親切な登場人物・登場勢力一覧、作中の世界地図を付けてほしかった。