著者は日本医大皮膚科内に、少人数で細々診療科を営んでいた同形成外科に入局し、病気勝ちだった前教授を支えて医局の独立に寄与して1995年に二代目の主任教授に抜擢された。そして、国際的な交流を通して、幾つもの独自の形成外科手術法を開発した。その手技は現在全世界に伝播され、特に東アジアや東南アジアそしてインドの熱傷再建治療に大きな貢献をしている。日本の形成外科技術および理論は、実は世界水準を陵駕するほどに優れていて、これが伝播すれば多くの人々の救いとなることは論を待たない。そこで、著者が形成外科医として過ごした、1980年から2015年までに開発した、多くの形成再建手術手技が、世代が変わろうとも必ずや次世代の形成外科医にとって貴重なインスピレーションになって、次の新しい形成再建手術の開発に役立つと信じて、本書を表した次第である。内容的には、熱傷再建外科、形成再建外科、美容形成外科、の3本柱から成り立っており、一般人にも次世代の形成外科医にもわかりやすく多くの写真を掲載して説明してある。若い形成外科医からすれば、何でこんな手術が成功するのか、と訝る面もあろうか思う。しかし実際は何のトリックもなく成功しているのである。医学の教科書に掲載されている、常識的記載は飽くまでも安全運転の理論であって、言い換えれば、常識と言うのは尽く破られるために存在するのであるということをここに強調したい。即ち、形成外科手術は創意工夫がなければ何も進歩しないと言うことである。
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