「社会」を描かないものとして長らく揶揄の対象となってきた〈セカイ系〉。しかし、 その誕生が2000年代初頭であったことを思い返すと、インターネットの普及によって「世界」の意味するところにドラスティックな変化が起きたことを鋭敏に捉えた想像力でもあったのではないか。〈セカイ系〉をキーワードにアニメ・音楽・アート・哲学などを横断して論じる評論アンソロジー『ferne』が話題を呼んだ気鋭の論客・北出栞の初著作。
まるで「世界の終わり」だと思わずつぶやきたくなる時代を前にして、まずは沈黙のうちに自分の感情と向き合えないか。〈セカイ系〉という言葉は、私たちにそんな問いを呼び起こさせるように感じる(本文より)
1章 なぜ、いま〈セカイ系〉なのか
2章 デジタルな実存の再構築(リビルド)
3章 ミュージックビデオ的想像力
4章 タッチパネル上で生まれる「切なさ」
5章 「ポスト・ボカロ」とは何か
6章 浮遊する「天使」のサンプリング
7章 タイムラインの中で「かたち」を捉える
8章 どこにもないセカイに響く祈りの歌
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