昭和を代表する空手家の波乱に満ちた生涯! 沖縄空手の伝説となった長嶺の生涯を追うと、そこには戦後沖縄の歴史が刻まれていた。著者初の本格ノンフィクション作品。
はじめに 沖縄の空手と世界平和について/序章 沖縄空手四天王が生きた時代/第一章 「泊手」発祥の地で育つ/第二章 病に伏せり空手で蘇生する/第三章 警察官時代/第四章 沖縄戦を生き延びる/第五章 戦後の出発と那覇市議時代/第六章 実業家としての挫折/ 第七章 念願の武芸書『沖縄の空手道』を発刊/第八章 空手の琉球処分と沖縄海邦国体/ 第九章 沖縄空手界の再統一へ/第十章 空手の原点とは/あとがき
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戦後の沖縄空手界を背負った人物
20世紀を生きた沖縄の著名空手家の生涯を通して、沖縄の歴史、空手と政治の関係などが綿密な取材のもとに描かれており、興味深い内容でした。現在の沖縄の空手が1945年の「沖縄戦」で生き残った空手家によって継承されたとの冒頭のくだりは、沖縄の特異な歴史を思い起こさせます。空手の世界にも「琉球処分」というべき出来事があったことはショックでした。東京オリンピックで金メダルをとった喜友名諒選手のこともちらっと出てきますが、沖縄の空手家に「競技」の可能性を開いた長嶺将真さんの存在がなければ、喜友名選手の活躍にもつながらなかったかもしれないと考えさせられた内容でした。貴重な歴史の記録を綴った本だと思います。