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茶虎で金目銀目の猫、みかんは江戸・吉原で髪結いをするお香のもとで可愛がられて育ち、まもなく二十年が経とうとしていた。 病の床についたお香は、尻尾が二叉に分かれ、言葉を操り始めたみかんが、やがて人に化ける猫の妖怪「猫又」になる特別な存在だと告げて、この世を去る。 飼い主を取り殺したと疑われ、追われるみかんを助けたのは、先輩猫又の加久楽(かぐら)だった。妓楼の一室に匿われたみかんは、同じ新米猫又の白花(しろか)らと出会い、猫又のあれこれを教えられる。 花のお江戸に隠された六つの陣地に分かれて、陣取り合戦を繰り広げていること。代々の徳川将軍のはからいで、江戸城の中には新米たちが修業する学び舎「猫宿」があること。猫又史にその名を刻む英雄「猫君」の再来が噂されていること……。 加久楽に連れられ猫宿へやってきたみかんは、「猫宿の長」と呼ばれる謎の人物をはじめ、様々な師匠のもと、仲間とともに数々の試練に挑んでいくーー 『しゃばけ』の著者が贈る、お江戸ファンタジー開幕! 【著者略歴】 畠中 恵(はたけなか めぐみ) 高知生まれ、名古屋育ち。二〇〇一年『しゃばけ』で第十三回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。病弱な若だんなと摩訶不思議な妖たちが様々な事件を解決する同シリーズで二〇一六年、第一回吉川英治文庫賞を受賞。 その他に、揉めごとの裁定をする町名主の跡取りが幼馴染とともに難問奇問に立ち向かう「まんまこと」シリーズ、古道具屋を営む姉弟と、妖怪と化した道具たちが遭遇する事件を描いた「つくもがみ」シリーズ、『うずら大名』『わが殿(上・下)』など著書多数。
レビュー(21件)
同作家の「しゃばけシリーズ」が面白くてずっと読んでおり、その延長の様な作品。それなりに面白いが、しゃばけシリーズに慣れている身には少々物足りなかった。
大好きな作家さんの作品なので楽しみにしていましたが、設定になじめないまま読み終わってしまいました。 残念!
畠中先生の御本にしては厚みがあったので、これは読みでがあるなって嬉しかったのに、結局同じフレーズの繰り返しでページを埋めていて、内容は薄かったです。この先生は新しいキャラクターを作るのと名前をつけるのが苦手なのかな?って思っています。読んでいてハリーポッターみたいだなって思いました。もう新しいもの生み出せないのかな。