時空を超えて必ず出会う運命だった
光二は、ロケット発射台のある南の島で育った高校生。いつか自分もロケットの研究をしたいと勉強に勤しむ一方、密かに同級生の長谷川葵に思いを寄せていた。
平沼は、仙台の大学の時空間の研究室で教授をしていた。過去を一切語らない彼を、周囲は不思議に思う。33歳の平沼を教授に抜擢したのは、齢90近くと噂される井神前教授だ。二人の間には誰にも言えない秘密があった。
別の人生を生きていると思っていたあらゆる人物達が一本の線上に連なる。時空を超えても人は出会うべき人と出会うようにできている。運命を信じたくなる物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
あの分岐点で、別な道を選んでいたら、どんな人生になっていたんだろう。
なんて考えることもあるけど、この作品を読むと、時間を超えても、別な選択をしても、同じところを辿るよう運命はさだめられているのかもしれない、と心に沁みてきます。この長編ストーリーと短編集『ふたつの星とタイムマシン』を一緒に読むと、一つ一つの短編がパズルのピースのように、長編のエピソードの中にピタッとはまってくるという面白い構成に!長編の主人公から見た視点と短編の主人公から見た視点、同じ事象でも立場によって違って見えてくる描写が秀逸です!!
レビュー(16件)
最後に題名とカバー絵が沁みる! 宇宙工学を目指す高校生の光二は、好きな女子に告白できないまま目の前で彼女を失う。そして、同じ物理の分野でもタイムトラベルを研究する大学へ進学し、そこで本物のタイムマシンに出会うのだが……失った彼女を想い続け、過去を変えることを厭わない彼は、周りの人間の想いには気付けず、時空の歪みを引き起こして別の人生を歩まざるを得なくなった。恋愛を含めた人間関係に執着しない彼の軽妙な会話も、この物語を楽しむポイントだ。科学技術の進歩が人類を不幸にするかもしれないという寓意も込められている。