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かこさとし未発表作品、ついに刊行! 倉庫に眠っていた、かこさとし未発表作品は、コロナでステイホームの期間中、 加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が作品整理中に見つけたものです。 この作品の最初の原稿執筆が1953年、なんと構想から実に68年、 半世紀以上を経て初めて世に出るオリジナル作品です。 テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。 太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話です。 戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、いつまでも忘れないようにと 子どもたちに伝えようとした作品です。 平和を願うかこさんの強い思いが込められています。 子どもたちの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!
レビュー(15件)
小学二年生の娘に、そろそろ戦争など知ってほしいと探していたときに見つけました。 だるまちゃんやからすのパンやさんでお馴染みのかこさとしさん。その絵のタッチとは違い、クレヨンや水彩で力強く描かれています。紙芝居のおつもりだったからでしょうか。 かこさんの果物の絵が大変美味しそうで、野の花々や景色がとても素敵で、本当に秋がお好きだったのだろうと感じられます。 そんなかこさんの大好きな秋がとても悲しい秋になったこと。 導入はかこさんが好きな秋を伝えてくるのでとても楽しく音読を始めた我が子でしたが、しだいに黙読を始めました。終わったよーと読み終わりを伝えてきた我が子。堪えながら‥悲しかった。と一言。 そんなに怖い色遣いや情景は描かれていませんので(悔しさ滲むページはありますが)子どもにトラウマを与えるような絵本ではなく幼い子でも読めて良いと思います。 かこさんの悲しい体験と美しい絵のギャップから平和に対する想いを強く感じます。
大人も子供も
私も秋が大好き。そんな秋を嫌いになって しまったのは戦争だった。 戦争で命を奪われる残酷さ。 ウクライナでは戦争が続いています。 平和な世の中になりますように。 絵本を読んで改めて考えさせられました。 この夏休みに絵本をひらいて見て欲しいです。
幻の絵本
かこさとし幻の絵本です。紙芝居形式を絵本仕様にしようと構想したまま世に出る機会が無く、お蔵入りとなっていました。長女が整理中に発見したのが2020年。亡くなった後でした。 シンプルな構成ながら、かこさとし氏の戦争体験と療養時代の思い出を、氏が最も好きな秋という季節とともに振り返ります。変わらぬ自然と戦争が変える人間の儚さや、切なさが伝わってきます。大人にも見てもらいたい作品です。