独露関係史の第一人者による「新しい世界史」
本書は二十〜二十一世紀の世界史を、百年以上にわたる独露(ソ連)の関係を中心に論じた歴史書。一般的に二十世紀は「アメリカの世紀」として評価される。しかし、二十世紀の国際政治は独露(ソ連)の関係からも大きな影響を受けてきた。本書は、二十世紀を規定した革命や戦争やテロル、独裁と民主主義の経験、社会変動や国際協調の進展(ないしその失敗)を、独露(ソ連)を舞台に論じ、二十世紀を「ドイツ=ロシアの世紀」として描き出す。ヒトラーとスターリン、コールとゴルバチョフ、メルケルとプーチンなど数多の登場人物の関係からウクライナ戦争に至るまで、多角的に詳述する。まさに二十世紀の「新しい世界史」と呼べる内容だ。
世紀にまたがる革命と戦争、隔絶と交流の歴史。最新の研究成果と物語性を兼ね備え、現代の喫緊の諸課題にも示唆に富んだ歴史書。NDR(北ドイツ放送)が選ぶノンフィクション書籍賞最終候補作品。
著者はロストック大学正教授。ドイツとロシア・東欧・近現代史専攻。戦後ドイツ外交史研究を牽引する歴史家。
[目次]
凡例
第3部:テロルと暴力
第6章:勝者と敗者
東ドイツにおける逃避と追放、スターリン主義のテロル
第7章:フラッシュバック
想起の文化と全体主義による暴力の経験
第4部:隔絶と交流
第1章:アンビバレントな時代
ラパロ時代の独露の邂逅
第2章:全体主義的独裁に直面して
スターリンのヒトラーへの求愛とスペインでの代理戦争
第3章:不自然な同盟
ヒトラー=スターリン協定から「バルバロッサ作戦」へ
第4章:強制された協力
敗戦後の賠償とデモンタージュの経験
第5章:冷戦下の三国関係
政治的危機と接近、経済外交と文化の架け橋
第6章:ゴルバチョフのペレストロイカ
「兄弟同盟」の亀裂とボンの関係改善
第7章:東方政策から「凍結」政策へ
ポスト・ソ連時代におけるパートナー関係から
対決へ
第8章:時代の転換?
プーチンのウクライナ戦争とドイツ人
第5部:結論
ドイツ=ロシアの世紀 総決算と選択肢
謝辞
訳者解説
口絵写真クレジット
略語一覧
註
人名索引
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