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藤井聡太、史上初、10代四冠達成! 「iPS細胞という新技術をいかに多くの患者に届けるか」をミッションとする研究者。「数字・記録よりも、自分自身としてどこまでも強くなりたい」と語る棋士。 研究者と棋士。分野は違っていても、過酷な競争の世界で最前線で前人未到の挑戦を続けるふたり。彼らの日常の準備、学び方、メンタルの持ち方、AIとの向き合い方・・・。 日々努力を続けるすべての人へ贈るメッセージ。 【内容】 第1章 限界を自分で決めない コロナ禍で自分を見つめ直す 雨に文句を言っても仕方ない etc. 第2章 今できるベストを尽くす 決断することが大切 集中力の源は体力にある 将棋の魅力とは etc. 第3章 自らの可能性を広げる 発想力と経験値 脳細胞を若返らせる 自分の専門分野に閉じこもらない 発想のチャンスは身近にもある 第4章 負けから学ぶ 負けたところからどれだけ学べるか 悔しがる力 相手が誰でも意識しない プレッシャーを解消する方法 etc. 第5章 AIが常識というブレーキをはずす きわどいところを踏み込んでいく 人間がAIから学ぶ時代 AIで自由度が上がる 人間だけが持っている能力 etc. 第6章 強くならなければ見えない景色 人生何が良くて何が悪いかわからない 強くなるための方法論 ビジョンを見失わないこと etc.
レビュー(19件)
藤井先生が山中先生の研究所を初めて見学されたのは16歳になったばかりの夏だそうです。この本の中では、将棋や、iPS細胞のこと、得意科目やスポーツ、趣味、AI,コロナウイルスワクチン等々様々なことを話し合われています。「強くならなければ見えない景色は確実にあるので、そうした景色を見るところまで行きたい」という藤井先生の言葉が胸に響いたと山中先生も書かれています。常に冷静沈着、謙虚な藤井先生、少しでもみならえたらと思います。
興味ある内容であった。期待通りであった。
多少は参考になった事項もありました。お二人の活躍を期待するばかりです。
何も挑戦しないのがいちばんの失敗だ
山中先生は「将棋音痴で、全然素人」と言いながらも藤井さんの活躍を称賛し、自分の体験談を基に失敗してもいいから新しいことにどんどんチャレンジして欲しいと語りかけています。動物の研究者たちがiPS細胞の開発を「絶対できない」と自分に勝手にかけていたブレーキが、植物の研究者との意見交換で外れたこと、生物学とはまったく関係のない工学部出身の学生の発想がiPS細胞を作るきっかけになったこと等、様々な興味深い話を聞いた藤井さんは、将棋の世界に置き換えて考え吸収しようとしています。 山中先生が藤井さんにもっとも伝えたかったのは、「やらずに後悔するよりは、やって失敗する方がいいですよ。何も挑戦しないのがいちばんの失敗だと思います」というメッセージかもしれません。「おそらくAIは過去の様々なデータから確率論で決めると思いますが、人間はそうでもない。今までの信念や勘から意思決定があって、それが成功につながったという例は山ほどあります。」と人間の可能性を訴えています。将棋の世界でも研究者の世界でもAIと向き合わざるを得ない時代を迎えて、人間が何をすべきかという命題を考えています。 この本は、何かに迷っている若い人たちに読んで欲しいと思います。お2人の今後のご活躍を祈念するとともに、応援させていただきたいと思います。