脳の発生・分化・可塑性はある意味では一体化した現象として捉えることが出来る。本書は、脳の持つ最も重要な可塑性を目指して、脳がどのようにして作り上げられるかを示したものである。読者の方々はいずれの章から読み始めても大変興味深いものと考えられるが、全体に目を通すことによって脳の発生・分化・可塑性を一つのコンセプトとして理解できる。完成された脳に可塑的な性質があるとともに、形成される課程でも様々な可塑的な性質が見られる。
第1章 神経の発生・分化
1-1 神経幹細胞ーその意義と可塑性
1-2 脊椎動物の神経誘導機構
1-3 ショウジョウバエの神経発生
1-4 ゼブラフィッシュを使った神経発生研究
1-5 研究者は電気線虫の夢を見るか?-線虫C.eleganceの神経発生研究
1-6 哺乳類脳の形成と遺伝子
1-7 ニューロンの位置決定メカニズム
1-8 グリア細胞の神経生化学
1-8-1 ミエリン
1-8-2 アストロサイト
1-8-3 ミクログリア
第2章 神経回路形成とシナプス可塑性
2-1 神経回路形成とセマフォリン・ニュロピリン
2-2 神経成長円錐の形成
2-3 脳の基本回路の形成機構
2-4 シナプス伝達の分子機構
2-5 軸索輸送とモータータンパク質
2-6 海馬におけるシナプス可塑性
2-7 小脳におけるシナプス可塑性
2-8 シナプス可塑性と神経栄養因子
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