ノーベル文学賞を受賞した作家・一ノ瀬が、授賞式前日に失踪した。彼の足取りを追った担当編集の相沢は、北海道のある岬の存在に辿り着く。その岬では30年ほど前から何人も消息不明になっており、得体のしれない薬草の噂まで流れていた。相沢は過酷な道のりの果てにようやく一ノ瀬を見つけ出すが、すでに彼は変わり果てた姿になっており……。人を人たらしめるものとは何か。生きる意味を問う、戦慄のサスペンス・ミステリ!
第一章 冬の旅
第二章 ハイマツの獄
第三章 不老不死の薬
第四章 ストックホルムで消えた
第五章 崩壊
第六章 秘密の花園
第七章 キャンプ
第八章 研究所
第九章 破滅巽
解説 巽 孝之
レビュー(7件)
母親に頼まれて注文しました。 すぐに届いてよかったです。
おもに2027年から30年頃までの近未来の日本が舞台となっている物語。外国における戦争、紛争、宗教の違いに根差したテロ等がますます激化し、日本にも飛び火する状況となっており、不安な気持ちをおさえる手段を求める人々がいるのはむしろ当然。そういった手段となり得る美食やお金のかかるレジャーと、徹底した粗食や断捨離はしかし、真逆のようでいて実はネガとポジの関係なんですね。「欲」があるから戦争や犯罪が起きるけれど、仮に食欲がゼロとなったら衰弱死してしまう。「欲」に翻弄されるのは人間の宿命か? そもそも「欲」とは何ぞや?といったことを考えさせられます。読み出したら止まらない、お勧めの一冊です。