医療制度がなかった時代に、病気の治療や薬の処方などは誰がどのように行っていたのか。近松門左衛門、井原西鶴、十返舎一九らの文芸作品の中から病や薬について書かれた部分を抜き出し、当時の医療が人々の暮らしとどう結びついていたのか浮き彫りにする。医師や薬剤師という法的に裏付けのある名称は、明治後半に生まれた。江戸時代以前には薬を扱う人を薬師(くすし)ということがあったが、医師と書いて「くすし」と読ませる場合もあり、実際には医師と薬師の区別は曖昧であったようである。
第1編 江戸時代の医療 概要(1.医療の制度と医学/2.日々の暮らしと病気/3.薬の使用/4.薬草の採取と栽培/5.西洋薬の出現/6.薬の包装と保管)/第2編 江戸時代の作品に描かれた医療と薬(1.近松門左衛門『国姓爺合戦』ほか/2.竹田出雲『菅原伝授手習鑑』ほか/3.井原西鶴『好色一代男』ほか/4.上田秋成『雨月物語』ほか/5.山東京伝『通言総籬』ほか/6.十返舎一九『東海道中膝栗毛』…)/第3編 江戸時代の薬用ニンジン(1.江戸時代のニンジンに関する文章/2.滝沢馬琴によるニンジン関連文/3.薬用ニンジンの利用/4.薬用ニンジンの起源と由来/5.薬用ニンジンの日本への到来)
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