最近の経済の停滞に至る30年の間に、かなりの数のOECD加盟国で賃金格差が広がるとともに、世帯所得の格差も拡大した。このような事態は経済成長と雇用の確保の両方が持続的であった時期にも起こっていた。この報告書では、このようなさまざまな格差の拡大の背後にある主要な要因を分析する。まず、経済のグローバル化、熟練労働が優位になる技術進歩、制度改革と規制改革などがどれだけ稼得所得の格差に影響を及ぼしたかという問題を分析する。さらに、家族形成と世帯構造の変化がどのように世帯の稼得所得や世帯全体の所得の格差を変化させることに影響を与えたかについて分析し、その証拠となる結果を示す。また、税制と社会保障の給付の仕組みが、世帯所得の再分配の仕方にどのような変化をもたらしたかについての分析を行う。これらの分析をもとに、この報告書では、格差の拡大に対処するために最も効果的なのはどのような政策なのか、また各国の予算の制約が厳しい中で、格差是正に関連する諸政策について、どのような組み合わせ方が可能なのかについて検討する。
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