「文ちん、やれるよな?」人気者とつるむようになってから、文也は自分がクラスの中心にいるような気分がする。担任の幾田先生は地味で怖くないし、友達と認定してくれるみんなと一緒にいるのが一番大切だ。ある日、クラスを崩壊させる大事件に関わってしまうまではーー。(「みんなといたいみんな」)
今の自分は仮の姿だ。六年生の杏美は、おとなしい友人の間で息をひそめて学級崩壊したクラスをやりすごし、私立中学に進学する日を心待ちにしている。宿題を写したいときだけ都合よく話しかけてくる”女王”香奈枝のことも諦めているが、彼女と親友同士だった幼い記憶がよみがえり……。(「こんなものは、全部通り過ぎる」)
学校も家庭も、子どもは生きる世界を選べない。胸が苦しくなるような葛藤と、その先にある光とは。
2020年、難関中学校の入試問題に数多く取り上げられた話題作に、文庫でしか読めない特別篇「仄かな一歩」を加えた決定版!
第一章 みんなといたいみんな
第二章 こんなものは、全部通り過ぎる
第三章 いつか、ドラゴン
第四章 泣かない子ども
エピローグ
特別篇 仄かな一歩 (※文庫書き下ろし)
レビュー(45件)
読者好きの小6の娘が、何度も何度も読んでいます。 学校での女子のちょっとしたいざこざに色々感じることがある毎日のようで、この本を読んで、自分の日常のことをポツポツ素直に話してくれるようにもなりました。この本を読むことでモヤモヤを言語化する手助けになったのかもしれません。
考えさせられる内容
子供が受けた全国小学生テストの国語の問題に出題されており、親の私が大変興味を持ち購入致しました。子供も勿論読みましたが、大変考えさせられる内容で親子でこの本について話をしました。大変お勧めです。
学級崩壊しかけている六年三組の児童たちが抱える鬱屈を描いた連作短編集。朝比奈さんの「自画像」も教室内で抱える人間関係や鬱屈が描かれていたから、こういうテーマが得意な作家さんなのかなと思います。小学生のときに自分の内面をこんな風に客観的に把握はできなかったけれど、やっぱり私は小学生には戻りたくないなあと思います。