本書では過渡吸収測定として知られる時間分解電子スペクトル測定の原理や解析法、また応用例を概説する。現在では、安定な短パルスレーザー光源、また過渡吸収測定装置も市販されており、特に専門的知識や技術がなくても、比較的容易に測定を行うことが可能となっている。一方、過渡吸収測定のための励起パルスレーザーの出力は他の測定と比較して高出力の場合も多く、非線形光学過程や吸収の飽和などの留意する点も多い。本書では、これらの点についても言及している。時間分解計測手法を用いて研究を行っている方のみならず、これから応用を考えておられる多くの方々の参考になれば幸いである。
第1章 パルス光を用いた時間分解測定:歴史と現状
第2章 過渡吸収測定の一般的原理と測定・解析法
第3章 ナノ秒より長い時間領域の測定
第4章 ピコ秒・フェムト秒時間領域の過渡吸収測定
第5章 固体・粉末系の過渡吸収測定
コラム目次
1. 新しいサブナノ秒過渡吸収測定システム:その特徴と応用例
2. 時間分解ラマン分光
3. 過渡吸収の時間変化に現れるビート信号の解析
4. 3パルスフォトンエコーの測定
5. 時間分解X線回折・散乱法
6. 単一分子の超高速時間分解蛍光計測
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