初めて統計力学を学ぶ人のために、統計力学の基本的な考え方を体系的に解説した。そのため、取り上げるテーマを精選し、初心者がスモールステップで学べるように各章の順序も工夫を施した。
統計力学では、微視的状態の数を求めるというなじみの薄い手続きが必要となるため、物理学を専攻する学生にとっても取りかかりにくい科目となっている。そこで本書では、基本公式の導出をできるだけ簡明に行い、またバーチャルラボラトリー(Webを用いたシミュレーション)とも連係させて直観的な理解を助けるようにした。ミクロな状態の時間変化などをインタラクティブな動画で仮想体験することによって、議論の展開の理解が少しでも深められれば幸いである。
プロローグ
1.熱力学から統計力学へ
1.1 巨視的な記述と微視的な記述
1.2 温度の異なる2つの系の接触
1.3 ボルツマンの関係式
1.4 アンサンブル理論
2.ミクロカノニカルアンサンブル
2.1 等重率とエントロピー
2.2 古典理想気体の状態方程式
2.3 2準位系
3.カノニカルアンサンブル
3.1 熱溜に接した系
3.2 2準位系
3.3 分配関数と自由エネルギー
3.4 古典理想気体
3.5 調和振動子の集まり
3.6 エネルギーのゆらぎと比熱
3.7 いくつかの応用例
4.いろいろなアンサンブル
4.1 グランドカノニカルアンサンブル
4.2 T-P アンサンブル
5.ボース粒子とフェルミ粒子
5.1 ボース粒子とフェルミ粒子
5.2 ボース分布とフェルミ分布
5.3 水素分子の回転比熱
6.理想ボース気体
6.1 ボース粒子系の基本公式
6.2 高温の極限における性質
6.3 低温における振る舞いとボーズーアインシュタイン凝縮
6.4 空洞輻射
6.5 格子振動のデバイ模型
7.理想フェルミ気体
7.1 フェルミ粒子系の基本公式
7.2 絶対零度における性質
7.3 有限温度における性質
8.相転移の統計力学
8.1 相転移
8.2 イジング模型の相転移
付録A 熱力学のまとめ
付録B よく使われる数学公式
付録C 微視状態の数とエントロピー
付録D 古典理想気体の微視状態の数
付録E 2原子分子の運動
付録F 量子力学のいくつかの結果
付録G ボースーアインシュタイン積分
付録H フェルミーディラック積分
付録I 臨界現象の新しい考え方
レビュー(0件)