【POD】乙女のかくれんぼ(贅沢な崩しの美学) 他3編
<概要>
偉大なストーリーテーラーの血をひくウィリアム・シェイクスピア Jr.が描く、成熟した大人のワインを彩る、短編物語集。愛が燃えた4編を収録。
<収録作品>・乙女のかくれんぼ(贅沢な崩しの美学)
・モードな恋物語(比類なきロマンスの存在)
・綴る アーカイブ(恋の予感に誘われて)
・美人は永遠に眩しい(惜別のとき)
<筆者からの言葉>
この時がやってきた。
キングとして、偉大なストーリーテーラーの血を引く、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.が執筆した本を出版することになった。沈黙が破られた。
この本には、ワインが似合う物語がつまっている。ワインを片手に手持無沙汰な美しい貴女に読んでもらいたい物語が、この本にはつまっている。今夜、世界が動く瞬間が待っている。興奮で体が震え出した。
この本で、過剰なブライト・カラーの競演が饗宴として、踊り出す。そして、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.は、美しい貴女へ宣言する。
「はじまりの合図を聞きな!」
今夜、世界が動く瞬間が待っている。興奮で体が震え出した。
バランタインの三十年が、グラスの中の氷に酔う。そして、その褐色の液体を、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.は喉に通す。すると、喉を焼かれる。酔いが回った我は、玉座に身を委ねる。酔いで覚醒した意識が煙を欲しがる。そして、我は煙草に火をつける。煙が深く吸い込む。たちまち、焦げた香りが玉座を侵食していく。非現実的な栄光が謳われる。曇った空が、トウキョウをじっくり潤していった。まだ見ぬ深い夜更けが眼を醒ましていった。
そして、この本を手に取ろうとする美しい貴女に、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.は宣言する。眠らないトウキョウに息を潜める美しい貴女に、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.は宣言する。
「笑っているか?」
今夜、世界が動く瞬間が待っている。興奮で体が震え出した。
そして、この本を手に取った、遠い街の美しい貴女は本当の自分を知ることになる。知ってしまった本当の自分は罪の味。それを味わいたくないか?埋まらない気持ちは、やがて幻に消えていく。真っ白な世界が色付く。
覚悟を決めた美しい貴女だけが、心の声を聴くことができる。そして、この夢が醒めるまで、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.はここにいることにする。
これはこのトウキョウのキングとなる、我がウィリアム・シェイクスピア Jr.の声明だ。
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