精神分析は非常に複雑な営みであり、「○○である」「××である」と直接的に定義するのはとても難しい。その難解な精神分析の本質に、多彩な「たとえ話」を駆使してせまる。精神分析を回転寿司にたとえるなど、意外なメタファーが軽妙に語られる。著者の精神分析体験がエッセイ風に記され、読みやすさのなかにもその本質を問い、精神分析訓練を受けようか迷っている心理職が、経験に裏打ちされた指南書としても参考にできる内容となっている。
プロローグーーあるいは終わりのあとの分析の夢
パート1 比喩と揶揄ーー訓練分析が必須なわけ
第1話 食べなきゃ始まらない?--回転寿司のたとえ
第2話 もっと光をーー園芸としての精神分析
第3話 コモン・センス、あるいは臨床家のインフラーータヴィストックの空気
第4話 マイ・ビジネスーーベティ・ジョゼフ先生に会う
パート2 音楽・アート・文学、そして夢の力
第5話 前奏曲ルバート、あるいは盗まれた時間
第6話 創造者と求道者、あるいはBecoming of‘O’--ジャズ的精神分析
第7話 破局、共鳴、転移
第8話 精神分析を聴け
第9話 習い事としての精神分析
第10話 浮かび上がる四次元ーーターナーの『吹雪』を見る
第11話 プライバシーとパブリシティ、あるは抑うつポジションーー夢見の舞台としての精神分析
第12話 文学性の所在
第13話 夢見ぬ文学ーー夏目漱石のテンポ
第14話 夢の力:その一、中上健次とフロイト
第15話 夢の力:その二、イルマの夢
パート3 神と物理学、そして精神分析
第16話 ジャガイモを歌え!
第17話 記憶なく、欲望なく、理解なく、あるいはバベルの塔
第18話 神、剪定する庭師、あるいは分析家ーーローゼンフェルドと精神分析の神様
第19話 二〇〇五年七月七日、さらに「長い週末」--キリスト教グノーシスとビオン
第20話 宗派と学派、あるいは家業と人間関係
第21話 光電効果あるいは投影同一化ーーアインシュタインと精神分析
第22話 実証性と実在性ーー量子力学とビオン
エピローグーー旅の終わりに
謝 辞
文 献
事項索引
人名索引
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