宗教がもつ時代や社会を超越した影響力の本質はどこにあるのか。諸個人の営みと密接に関わる史料から、自身や近親者の救済を求め自然を畏れた中世以来の信仰と、徳川氏を権力として戴く近世社会との関係を読み解く。人々の本源的欲求と思索のあり方を重視し、社会的・経済的な打算としての解釈に偏重してきた宗教史学に対して一石を投じる意欲作。
序章 「徳川のまつりごと」を考えるー本書の視角/百姓の信仰(日本中世農村の空間祭祀と個人供養〈空間と祭祀/個人と供養〉/尾州知多大仙寺史料にみる中世檀那と近世檀家〈中世史料との照合/近世史料との照合〉/三州足助紙屋鈴木家史料にみる先祖供養と個人救済〈先祖供養の成立/由緒と信仰〉)/武士の信仰(中世禅刹と近世大名ー定光寺と尾張藩〈山林の領主/源敬公廟と尾張藩/禅宗と尾張藩〉/僧儒の詩文にみる近世武士の信仰〈画像賛にみる信仰の変化/禅僧と儒者の詩文〉以下細目略)/天皇と空間と個人(徳川寺社領朱印状の様式変遷と公儀の成立/近世の在家・出家と朝廷文書の所持)/終章 到達と課題
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