現代ドイツの人文学は、モノとしてのメディアに焦点を当て、文化を媒体の物質性と分かちがたく結びついたものとして分野越境的に論じてきたが、これは従来の文化研究とは一線を画するものであった。『思想』小特集の好論文に、キットラー、アスマン夫妻の新訳をはじめ大幅増補した、今後の文化論の基礎文献となる一冊。
序
1 メディアとテクノロジー
文化技術論ーードイツ・メディア理論における学問上の戦後期の終焉 ベルンハルト・ジーゲルト 訳=寺田雄介 解題=川島建太郎
データ・数・コード フリードリヒ・キットラー 訳・解題=山崎裕太
メディアと群集ーーカネッティ『群集と権力』を読み直す 古矢晋一
2 図像・デザイン
文化、技術、文化技術ーー文化の言説化に抗して ジュビレ・クレーマー/ホルスト・ブレーデカンプ 訳・解題=遠藤浩介
デザインへの転回ーーデザインの精神における学問革命 ヴォルフガング・シェフナー 訳・解題=高次裕
3 実験・知覚・音
科学者は未知の事柄をいかに研究するか ハンス= イェルク・ラインベルガー 訳=高次裕 解題=縄田雄二
力の競合ーー音響と知覚の非対称性について ユーリア・クルセル/アルミーン・シェーファー 訳=沼口隆 解題=縄田雄二
現代演劇と〈声〉の文化 - 言語と身体、在と不在のあいだ 針貝真理子
4 法・記憶
法のメディア論ーーコルネリア・フィスマンとともにゲーテ『若きヴェルターの悩み』を読む 川島建太郎
文化的記憶 ヤン・アスマン 訳=高橋慎也・山中奈緒美 解題=高橋慎也
「我々を結び合わせるものこそ真実である!」 アライダ・アスマン/ヤン・アスマン 訳=花岡里帆 解題=縄田雄二
補論ーーキットラーと海に臨む 縄田雄二
あとがきーー望遠鏡で月を望んだ漢詩
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