昔読んだ小松左京の「日本沈没」を思い出した。視点がグローバル、舞台のスケールが大きい点で、それ以上かもしれない。主人公の一人は日本人であり、国連で名演説をする日本の首相(残念ながら当然空想上の人物)をはじめとして、他にも日本人も数人登場するが、全て外国人の目から見た姿で描かれている。SFの世界では中国人作家による「三体」が今世界を風靡しているが、日本人によって書かれたこの「新しいジャンルのSF小説」も、世界中の読者に読まれて欲しい。,小説としての面白さはもちろんのこと、国際社会や、人間とは、といった問題を考えるきっかけにもなる素晴らしい本です。 「3ヶ月で10億人を超えるアフリカの人達を脱出させる」というとんでもない事態が起こるのですが、普通、誰もがすぐに「とても無理」と言うでしょう。そんなことを言えばアフリカ中で暴動が起きます。著者は、そういうことを十分理解した上で筆を進めている点でプロだと言えます。この「民族大移動」の姿については、「一本の道路を、歩行者と自動車、両面と片面でどう使い分けるか」まで考えられています。このように丁寧に描く姿勢が、ストーリー全体に迫真力を与えていると思います。 分厚い本ですが、難しいところはある程度飛ばし読みしてもあまり問題はなく、私は一気に読み終えました。老若男女を問わず、すべての方に強くお薦めします。
レビュー(3件)
一気に読了
昔読んだ小松左京の「日本沈没」を思い出した。視点がグローバル、舞台のスケールが大きい点で、それ以上かもしれない。主人公の一人は日本人であり、国連で名演説をする日本の首相(残念ながら当然空想上の人物)をはじめとして、他にも日本人も数人登場するが、全て外国人の目から見た姿で描かれている。SFの世界では中国人作家による「三体」が今世界を風靡しているが、日本人によって書かれたこの「新しいジャンルのSF小説」も、世界中の読者に読まれて欲しい。
小説としての面白さはもちろんのこと、国際社会や、人間とは、といった問題を考えるきっかけにもなる素晴らしい本です。 「3ヶ月で10億人を超えるアフリカの人達を脱出させる」というとんでもない事態が起こるのですが、普通、誰もがすぐに「とても無理」と言うでしょう。そんなことを言えばアフリカ中で暴動が起きます。著者は、そういうことを十分理解した上で筆を進めている点でプロだと言えます。この「民族大移動」の姿については、「一本の道路を、歩行者と自動車、両面と片面でどう使い分けるか」まで考えられています。このように丁寧に描く姿勢が、ストーリー全体に迫真力を与えていると思います。 分厚い本ですが、難しいところはある程度飛ばし読みしてもあまり問題はなく、私は一気に読み終えました。老若男女を問わず、すべての方に強くお薦めします。